千葉県船橋市は、工事入札を中止した市立医療センターの建て替えについて、予定価格を25%増額した場合、利子を含めた総事業費が1000億円を超えることを明らかにした。2027年度を目指していた開院時期は、工事費の積算や予算の確保に時間を要することから、1年程度の遅れが見込まれる。
総合評価型(施工計画評価タイプ)の一般競争入札を公告した「船橋市立医療センター等建替工事」は、唯一参加表明していたフジタ・ティーエスケーJVが辞退届を提出したため中止となった。その後、市は9月27日と10月17日に同JVへヒアリングを実施。ヒアリングでは▽9月時点での積算価格は予定価格に対して25%超過している▽44カ月を見込んでいた工期は6カ月分不足している▽設備業者の確保が難しい--などの意見が上がった。
併せてゼネコン8社や設備業者20社(機械系、電気系ともに10社ずつ)へのサウンディング(対話)調査も10月8-25日に実施した。ゼネコンは26、27年度まで、設備業者は27、28年度までは手持ち工事で手一杯と回答したほか、工事規模が大きすぎることから、分離発注を希望する企業も多い結果となった。これらの意見を踏まえ、市は今後の対応を検討する。
「船橋市立医療センター等建替工事」の予定価格は525億6000万円(税別)に設定していた。概要はS一部SRC造(免震構造)7階建て塔屋2層延べ5万3373㎡の病院本棟のほか、エネルギーセンター、自走式立体駐車場、救急ステーションの建築、電気、設備の各工事など。
工期は27年11月30日までに設定していた。
基本・実施設計は日建設計が担当した。建設地は、船橋市海老川上流地区土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業区域内の高根町372ほか。
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船橋市/総事業費は1000億超/入札中止の医療C建替
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